
ChatGPTやMicrosoft Copilotをはじめとする生成AIは、議事録作成、文章作成、情報整理など、多くの業務で活用されるようになりました。
総務省「令和7年版情報通信白書」(2025年公表)によると、日本企業の55.2%が何らかの業務で生成AIを利用しています。一方で、導入時の懸念として「効果的な活用方法がわからない」「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」が挙げられています。
出典:
- https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112220.html (令和7年版情報通信白書、2025年公表)
- https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02ryutsu20_04000019.html (AI事業者ガイドライン掲載ページ、2026年3月31日更新)
ただし、中小企業の現場で実際に起きている問題は、高度なAIリスクではありません。
むしろ、
- 顧客名が入った資料をそのまま入力してしまう
- 社外秘情報をコピーして貼り付ける
- AIの回答を確認せずに提案書へ転記する
- 従業員ごとに使い方がバラバラ
といった運用面の課題です。
例えば、ある会社では営業担当者が提案書作成に生成AIを活用していました。しかし、顧客情報を含む内容を入力していたことが後から判明し、社内で利用方法を見直すことになりました。
生成AIの問題というより、「使うためのルールがなかった」ことが原因です。
中小企業の場合、大企業のような複雑な管理体制は必要ありません。まずはA4一枚程度の簡単な社内ルールから始めるだけでも効果があります。
例えば、
①利用目的を決める 「議事録作成」「メール下書き」「市場調査」など活用範囲を明確にする。
②入力禁止情報を決める 顧客情報、個人情報、未公開の経営情報などを入力しない。
③最終確認は人が行う AIの回答をそのまま使わず、必ず担当者が確認する。
④利用ツールを決める 社員ごとに異なるサービスを使うのではなく、会社として推奨ツールを定める。
この程度でも、リスクは大きく低減できます。
総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインでも、AIの利用者に対してリスクを理解し、適切に管理することが求められています。しかし、中小企業に必要なのは難しい専門知識よりも、「何を入力してよいか」「誰が確認するか」を決めることです。
生成AIは、放置すると便利な個人ツールになりがちです。一方で、ルールを整えることで会社の生産性向上につながる組織的なツールへ変わります。
まずは経営者自身が生成AIを使いながら、社内で「入力してはいけない情報は何か」「確認すべきポイントは何か」を話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。


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